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7月

今月のステイトメント

「練習と事故」 裏面へ☞

July

金曜 Friday

27 友 引

Shuta Hasunuma STUDIES

蓮沼執太のスタディーズ Asahi Art Square Grow up!! Artist Project 2012 Please Take One


今月のステイトメント

練 習 と 事 故  スタディーズということで「学習」とか「練習」について自分なり

せん。しかし、私たちが 今日向かい 合わなけれ ば ならないのは、

に簡単に整理したいと思います。おそらく日本で教育を受けた人

そのような想定可能な「事故」ではなく、制度化された基準を超え

たちなら大抵そうかもしれませんが、私がこれらの言葉に出合った

たような、これまでにないかたちでの「事故」にほかなりません。

のは小学生の頃でした。ちなみに 参考書などでは「練習問題」と

 ここであえて抽象化して「事故」を「外的要因」に、 「練習」を「自己 言及性」に言い換えてみたいと思います。私たちは文明化された

「応用問題」にわかれていたことを記憶しています。  精確なところはわかりませんが、ここでいう「応用問題」とは、

技術によって、もはや予測することも制御することもできないような

たとえば英語にすると「a question to test the student’ s ability

「事故」に絶えずさらされているわけですが、こうした「外的要因」

to use their knowledge in practice」とあ るように、 「練 習」に

となるような「事故」を、 「自己言及性」の契機となる「練習」にいか

よって培われた知識を使うことが前提とされています。そうすると、

にして滑り込ませることができるのでしょうか。こうした点で想い

この場合の「練習」には、何度か繰り返してみても変わることのない

起こされるのが、およそ100 年前に問題提起されたデュシャンの

法則性のようなものが 付与されているわけです。一定の条件下で

「レディメイド」です。

繰り返すことができ、それによって何らかの法則が意味づけられて

 もはやいうまでもありませんが、デュシャンの「便器」には、私

いく。こうした反復可能な行為によって、はじめて認識あるいは

たちが暗々裡に認知していた「作品」という「制度」 (条件の一定性)

成立するような事柄が「練習」ということになります。

に対する問いかけが含まれていました。結果として、それは「事件

 その上で、問題設定として提起してみたいのは、 「練習」ははたし

(事故)」となったわけですが、デュシャンの「レディメイド」は、まさ

て何度繰り返してみても変わることがないのかということです。

に「外的要因」 (事故)=「自己言及性」 (練習)が実装されたかたち

いや、むしろ問うべきなのは「一定の条件下で」という前提の部分

で表出されていたといえます。

にあるような気がします。 「練習」には程度の差はあれ、その背後に

 しかし「レディメイド」は、それ自体がまた「作品」として認定

「条件の一定性」という事象が潜んでいます。それは、別の言葉で

されることで、重層化された制度に組み込まれてしまいました。

いえば「制度」ということになるかもしれません。

私たちが批判的に継承しなければならないのは、このように多重化

  「練習」が一定の条件下を超えたとき、それは時に「事故」にむすび

していく制度に対する態度にほかなりません。制度を超えた「事故」

つきます。周知のとおり「事故」には、あと戻りすることができない

は、別のかたちの「制度」に重層化され てしまう危険性を孕んで

不可逆性が付与されます。つまり反復可能な行為が、ある条件下に

います。こうした 問題に対して、いかなる「練習(スタディーズ) 」

おいて不可逆的なものに変質したとき(変形ではなく)、 「練習」は

を設定できるのか、私の関心は今、こういったところにあります。

「事故」として表出されるわけです。もちろん、制度的に想定可能 な「事故」の場合には、それに対応することも可能なのかもしれま

粟田大輔[美術批評]

次回のスタディ

map 2/9 –17

Public)

*内容・時間などの詳細は決まり次第ホームページに掲載します。

※今回の会場は

都営 吾妻 地下 橋駅 鉄浅 草線

 LwP asakusa です。 11/21

Shuta Hasunuma STUDIES

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蓮沼執太のスタディーズ Asahi Art Square Grow up!! Artist Project 2012

10/14

9/27

5/17

アサヒ ビール

アサヒ ← アートスクエア 吾妻橋

主催:アサヒ・アートスクエア 協賛:アサヒビール株式会社 協力:LwP asakusa お問合せ:アサヒ・アートスクエア事務局 Tel. 090-9118-5171 / E-mail aas@arts-npo.org http://asahiartsquare.org

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言問通り

7 月 27 日

12/21

STUDIES(for

本所

2/22

隅田川

6/6

江戸通り 8/22

7/27

Asahi Art Squar Grow up!! Artist Project 2012 とは すでに発表実績のあるアーティストが自らの表現ともう一度向き合い、多角的な視点からじっくりと 「考える」機会を提供するプロジェクト。公募で選ばれたサポート・アーティストに、アサヒ・アートス クエアの会場の無償提供、資金サポートなどを行っている。2012 年は蓮沼執太が、アサヒ・アートス クエアを拠点に新プロジェクト「蓮沼執太のスタディーズ」に取り組んでいる。

浅草駅

浅草駅

東武伊勢崎線

東京メトロ銀座線

LwP asakusa LwP asakusa:東京都台東区花川戸 2 -14 -3 東京メトロ銀座線「浅草駅」5 番出口より徒歩 6 分 都営地下鉄浅草線「浅草駅」A5出口より徒歩 10 分 東武伊勢崎線「浅草駅」より徒歩 6 分 http:// lwp-asakusa.com/


蓮沼執太のスタディーズ STUDIES for Public チラシ 7月  
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