Illuminea October 2010 Japanese

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オックスフォード大学出版局、 を世に出す オックスフォード大学出版は、Social Explorer とパートナー提携を行い、 socialexplorer.com をグローバルに配 信することになりました。 Social Explorer は2003年に発表されたウェ ブサイトで、最も情報量豊かで、かつ 使いやすい人口統計、をミッションとし てかかげ、スタートしました。現在では

インターネットで見ることができる世 界中のどの人口統計のサイトよりも多 く使われており、2010年にはアメリカ 図書館協会及び協会の一部署である レファレンス&ユーザーサービス協会 (RUSA)から2010 Outstanding Reference Source賞に選ばれていま す。 Social Explorerは膨大でかつ成長 しつづけるデータとわかりやすいビジ ュアルインターフェースを融合させ、人 口統計や統計リサーチ、社会トレンド の分析結果を誰にでも使いやすく明瞭 なリソースに作り上げています。ウェブ サイトは、米国コミュニティ調査 (ACS)を含む、歴代の米国センサス (国勢調査)全てからの結果、加えて 米国宗教団体の会員データの数百、数

千を超えるレポートや、それ以上もあ る統計マップの情報を提供していま す。ウェブサイトは常に新しいデータや 機能の更新がなされ、更に、今後米国 以外の国のデータも掲載する計画が 進められています。 Social Explorerは社会学を学ぶ学 生、教員、研究員など幅広い層に有意 義なリソースです。このウェブサイトは OUPより全世界に向けて配信され、年 間契約で各図書館に提供されます。

詳細はこちらのURLから:

www.oup.com/online

オックスフォード大学出版局の図書館諮問委員会(LAG)の国際化 オックスフォード大学出版局が毎年開 催する図書館諮問委員会(Library Advisory Group、LAG)は、例年と異 なり各国から新しい図書館委員メンバ ーを招いて行われ、非常に国際的な会 となりました。13名もの著名な図書館 員がこの5月、オックスフォードまで足 を運んでくださいました。その中には 遠く中国、日本、インドやオーストラリ アから会に参加した図書館もおられ、 また、北アメリカや欧州からの例年の 参加者もいらっしゃいました。 OUPの新CEOである Nigel Portwood氏がまず、会議の初めに挨 拶を行い、自己紹介に始まり、更に学 術図書館や出版社を取り巻く変化や新 しい挑戦の数々について話しました。 このうち、変化のひとつとして取り上げ たのは、OUPのアカデミック及び学術 ジャーナル部門のディレクターであっ た Martin Richardson氏の退職につ いてでした。 その後、すぐにOUPのリサーチディ レクターである Richard Gedye氏とデ ィスカッションに入りました。ディスカ ッション内容は、学術出版が直面する 競争の激しい市場についての問題で す。ディスカッションは金銭的な面か ら、更に、最近の新しい技術、例えば 新しい論文のフォーマットやビジネス モデルについてまで話し合いがされま した。このうち、新しいビジネスモデル

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については、OUPのヘッド・オブ・オン ラインセールス、Chris Bennett氏の e-booksに関するセッションの際にも 議論の中心として取り上げられまし た。インターネット上で出版される電子 レファレンスや学術コンテンツが更に 増え続けることを考えると、市場への ルートは現時点でも将来でも、新しい セールスモデルを念頭におかなければ ならないことは明白です。 今回の集まりでは、遠方より集まっ てくださった各国のゲストの意見を聞 き、新しい知識を得ること、また、国際 マーケットについてのディスカッション の基盤となるアイディアを得ることも目 的の一つでした。特に世界的な経済危 機がもたらした、政府からの教育分野 への資金援助のインパクトの大きさが 問題とされました。全体的な意見とし ては、この資金援助の件は欧州では状 況が悪く見通しが暗い、米国でも寄付 金の収入が下がったことによって多く の機関に影響が出ているとのことでし た。ただし、アジアの一部では状況が 異なるようです。メンバーの一人、 Inflibnet コンソーシア代表の Dr Jagdish Arora氏が現在も続けられて いるインド政府の教育投資について、 その全体像を話してくださいました。 また、これと似たようなケースとして、 中国の北京大学図書館を代表する Qiang Zhu氏が中国政府の高等教育

に対する手厚い投資について話してく ださいました。オープンアクセスに対 する権限についての様々な提案につい ても議論されましたが、米国のエール 大学代表の Ann Okerson氏は、現在 提案されている米国の法律案の可能 性について話してくださいました。 午後の会議は技術的な面について の議論が中心となりました。リバプー ル大学の Terry Bucknell氏とハダース フィールド大学の Graham Stone氏に よる次世代図書館検索システムと発見 ツールのデモンストレーションが行わ れたのです。メンバーのディスカッショ ンは、これらが図書館と出版社両方に 及ぼすインパクトについて議論されま した。特に、出版社が、それら新しい 技術をサポートするために知っていな ければならないことについてなどが話 されました。システムベンダーに対して いかにタイムリーにメタデータを提供 していくか、ということについては今回 の会で学ぶことができた重要な知識 の一つでした。 これまで以上に、このようなざっくば らん、かつ深い図書館員たちとの議論 はOUPの今後の出版戦略に多いに貴 重な財産となることでしょう。

ジャーナルコンテンツ、 新しい プラットフォームへの 移動、成功する オックスフォード大学出版局の120万 ものオンラインジャーナル論文が、 先月、無事、Highwire2.0プラットフ ォームへ移動した。 このプラットフォームの移動によっ て、OUPはよりユーザーフレンドリー でダイナミックなインタフェースで論 文を提供することが出来るようにな り、次々に変化を求められるオンライ ン出版に対応するとともに出版業界 でのOUPのポジションを強化するこ とに成功しました。新しく設計し直さ れたオックスフォード・ジャーナルの ウェブサイトは、これまでに定評のあ るウェブ出版基準に沿ってデザイン されたものであり、更にHighwire Pressのウェブ技術、H2Oによって強 化されています。 大部分の変化はユーザーにとって は見えないところでの技術的な部分 の変化です。新しいプラットフォーム への更新によって、論文の表示の仕 方が変わったり、より読みやすいレイ アウトに変わったり、画像の表示方 法が改善されたり、異なるデバイスで も読みやすいようにフレキシブルな ページレイアウトがされたり、より操 作しやすい工夫がされています。ま た、調べによると60%以上のユーザ ーが検索エンジンから論文そのもの にアクセスするということを考慮し て、論文それぞれのページに背景情 報、文脈を掲載することによって、ど のページも実質的にはホームページ のようにすることが可能となりまし た。 今年1月から2月にかけて20のジャ ーナルサイトがパイロット版として新 しいプラットフォームに移動され、以 降、223ジャーナルが8月から9月の間 に移動されました。今回のプロジェク トでは、OUPの全ジャーナルを無事、 新しいプラットフォームへ移動させる ことが出来ました。今年以降も、更に デザインや機能の追加を行っていく 予定です。


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